企業版ふるさと納税の人気プロジェクト・詳しい解説

前回の記事では、人気のプロジェクトのご紹介をさせていただきました。今回の記事では、個人版ふるさと納税と企業版ふるさと納税の違い等を詳しくご説明させていただきます。

  

企業版ふるさと納税とは?制度の仕組み

企業版ふるさと納税とは、国が認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して企業が寄付を行った場合に、法人関係税から税額控除される仕組みです。正式名称を「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業」といいます。

ここでは、制度の基本を分かりやすく解説します。

個人版ふるさと納税との3つの違い

多くの人が知る個人版のふるさと納税とは、いくつかの重要な違いがあります。

  • 寄付の主体 個人版は個人が対象ですが、企業版は法人が対象です。
  • 税の優遇措置 個人版が所得税の還付や住民税の控除であるのに対し、企業版は法人関係税(法人住民税、法人事業税、法人税)の税額控除が中心です。
  • 返礼品の有無 個人版の魅力である返礼品は、企業版ふるさと納税では提供が禁止されています。 あくまで地域への貢献が主目的です。

税額控除の仕組みとシミュレーション

企業版ふるさと納税の最大のメリットは、高い税軽減効果です。寄付額の最大約9割が控除され、実質的な企業負担を約1割にまで圧縮できます。

この仕組みは、以下の2つの控除から成り立っています。

  1. 損金算入による軽減効果(寄付額の約3割) 通常の寄付金と同様に、寄付額の全額が損金として算入されるため、法人税の課税対象所得が減少します。
  2. 税額控除による軽減効果(寄付額の最大6割) 損金算入に加えて、法人住民税と法人事業税から寄付額の4割、さらに法人税から寄付額の2割(合計で最大6割)が直接控除されます。

シミュレーション例:1,000万円を寄付した場合

  • 損金算入による税軽減額:1,000万円 × 約30%(法人実効税率) = 約300万円
  • 税額控除額:1,000万円 × 60% = 600万円
  • 税軽減の合計額:約300万円 + 600万円 = 約900万円
  • 企業の実施負担額:1,000万円 - 約900万円 = 約100万円

このように、1,000万円の寄付が、実質約100万円の負担で実現可能です。 (参考:内閣府地方創生推進事務局 https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/kigyou_furusato.html)

対象となる事業と寄付の下限額

寄付の対象となるのは、内閣府が認定した「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業」のみです。自治体が計画した事業が、地方創生に繋がるものとして国に認められる必要があります。

また、寄付額には下限が設けられており、1回あたり10万円以上の寄付が対象となります。

人材派遣で寄付する「物納」の特例

企業版ふるさと納税には、金銭の寄付だけでなく、**専門的な知識やノウハウを持つ人材を派遣する「人材派遣型」**という特例もあります。

これは、企業の専門人材を地方公共団体等で活躍させることで、寄付として認定される制度です。その人材の人件費相当額が寄付額とみなされ、税制上の優遇措置を受けられます。自社の強みを直接的に活かした、より深い地域貢献が可能になります。

メリット1:最大9割の税負担軽減効果

前述の通り、実質的な負担を抑えながら大きな社会貢献活動が実現できる点が最大のメリットです。通常の寄付に比べて、企業側の財務的なハードルが大きく下がります。

メリット2:企業のPR・ブランディング効果

地方創生に貢献する企業としての姿勢を社内外にアピールでき、企業イメージやブランド価値の向上に繋がります。 特に、SDGsや社会貢献への関心が高い現代において、この取り組みは採用活動や取引先との関係構築においても有利に働く可能性があります。優れた取り組みを行った企業は、内閣府から大臣表彰を受ける機会もあります。

メリット3:新規事業やパートナーシップ創出

寄付をきっかけに、自治体や地域のNPO、地元企業との新たなネットワークを構築できます。これにより、新たな事業展開の足がかりや、協業パートナーシップが生まれる可能性があります。特に「人材派遣型」を活用すれば、より強固な関係性を築くことが期待できます。

デメリット:「意味ない」と言われる理由と注意点

一方で、「意味ない」という声が聞かれることもあります。その理由と注意点を理解しておきましょう。

  • 返礼品がない 個人版と違い、経済的な見返りはありません。あくまで社会貢献が目的です。
  • 最低でも1割の持ち出しが発生する 税軽減効果は最大9割であり、全額が控除されるわけではありません。必ず企業の自己負担が発生します。
  • 本社所在地の自治体には寄付できない 制度の趣旨が「地方創生」であるため、自社の本社が所在する地方公共団体への寄付は対象外です。税源の移転に繋がらないようにするためのルールです。

これらの点は、純粋な節税や見返りを期待する場合にはデメリットと感じられるかもしれません。しかし、社会貢献と企業価値向上を両立させるための投資と捉えることが、この制度を有効活用する鍵となります。

まとめ

人気のプロジェクトと、個人版、企業版の詳しい解説をさせていただきました。企業版ふるさと納税については、様々なメリットがございます。プロジェクトを一緒に発案させていただき、寄附をいただいた地域の活性化を図る事も可能です。弊社では、地域のお悩みと企業様のマッチングも積極的に行っています。お気軽にご相談ください。