企業版ふるさと納税の今後の展望とは?延長と総務省の動向 Part2

企業版ふるさと納税とは?制度の基本

企業版ふるさと納税の正式名称は「地方創生応援税制」です。 この制度の目的は、深刻化する地方の人口減少や活力低下といった課題に対し、企業の資金やノウハウを活かして地方創生の流れを加速させることにあります。

仕組みは非常にシンプルです。 企業が、応援したい地方公共団体の「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業」(内閣府が認定した地方創生プロジェクト)に対して寄付を行うと、法人関係税から税額控除が受けられるというものです。

個人版ふるさと納税との3つの違い

「ふるさと納税」と聞くと、個人版を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、企業版と個人版は全く異なる制度です。主な違いは以下の3点です。

  • 返礼品の有無 個人版の大きな魅力である返礼品は、企業版ふるさと納税では提供が禁止されています。 あくまで地域への貢献が主目的です。
  • 税制優遇の仕組み 個人版が所得税・住民税からの「寄付金控除」であるのに対し、企業版は法人関係税の「損金算入」と「税額控除」を組み合わせた、より手厚い税優遇措置となっています。

管轄省庁(内閣府・総務省)の役割

企業版ふるさと納税は、主に2つの省庁が関わっています。

  • 内閣府 制度全体の企画・運営を担っています。地方公共団体が申請するプロジェクトの認定や、企業向けのマッチング支援、ポータルサイトの運営などを行っており、制度に関する相談窓口の役割も果たしています。
  • 総務省 個人版ふるさと納税の主務官庁ですが、企業版ふるさと納税においても地方税(法人住民税・法人事業税)の控除に関わる税制面を所管しています。

制度について詳しく知りたい場合は、まず内閣府地方創生推進事務局の公式サイトを確認するのが最も確実です。

対象となる寄付

  • 内閣府が認定した「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業」に対する寄付であること
  • 1回あたりの寄付額が10万円以上であること

対象外となる寄付

  • 本社が所在する地方公共団体への寄付(例:東京都に本社がある企業から東京都への寄付)
  • 寄付の見返りとして、補助金の交付や有利な利率での貸付など、経済的な利益を受け取ること
  • 寄付を行うことを前提とした取引(入札や許認可など)を行うこと

これらのルールに違反すると税優遇が受けられないため、注意が必要です。

節税効果以上の現金支出(持ち出し)が発生

最も重要な注意点です。税負担の軽減効果は最大で約9割であり、10割ではありません。つまり、最低でも寄付額の約1割は、企業の自己負担(持ち出し)となります。

例えば、1,000万円を寄付した場合、最大で約900万円の税負担が軽減されますが、約100万円は企業の現金支出となります。そのため、純粋な節税(税金を減らすこと)が目的の企業にとっては「意味ない」と感じられるかもしれません。この制度は、あくまで「寄付」であることが大前提です。

まとめ

本記事では、企業版ふるさと納税の今後の展望と制度の全体像について解説しました。

  • 企業版ふるさと納税は、令和6年度税制改正により2029年度末まで延長が決定
  • 寄付額の最大9割に相当する税優遇措置が受けられる
  • CSR活動やSDGs経営の推進、新規事業機会の創出といったメリットがある
  • ただし、最低でも寄付額の約1割は自己負担となり、返礼品はない
  • 大企業だけでなく、多くの中小企業も活用している

企業版ふるさと納税は、単なる節税策ではなく、企業の未来への投資と社会貢献を両立させる戦略的な一手となり得ます。2029年度までの延長が決まった今、改めて自社での活用を検討してみてはいかがでしょうか。

弊社では南阿蘇を中心として企業版ふるさと納税に取り組んでいます。

どんなことでも構いませんので、ご相談ください。