法人版ふるさと納税する前に「要チェック注意点」

注意点「メリットない」と言われる理由

高い税優遇に加え、CSR活動のアピール企業ブランディングに繋がるなど、多くのメリットがある一方で、「企業版ふるさと納税はメリットがない」「意味がない」といった声が聞かれることもあります。その理由となっているデメリットや注意点を正直に解説します。

寄付額の最低1割は企業の持ち出しとなる

税負担が最大約9割軽減されるということは、裏を返せば最低でも寄付額の約1割は企業の自己負担となることを意味します。

例えば、1,000万円を寄付した場合、最大900万円の税金が軽減されますが、残りの100万円は企業の持ち出しです。会社のキャッシュが完全に減らないわけではないため、「節税」という言葉のイメージだけで判断すると「話が違う」と感じるかもしれません。

個人版と違い返礼品は受け取れない

個人版ふるさと納税の大きな魅力である返礼品ですが、企業版ふるさと納税では寄付の見返りとして金銭や物品などの経済的な利益を受け取ることは法律で禁止されています。

あくまで「社会貢献」が目的の制度であり、個人版のような「お得感」を期待することはできません。これが「メリットがない」と感じられる大きな要因の一つです。

寄付の下限額が10万円に設定されている

企業版ふるさと納税を利用するには、1回あたりの寄付額が10万円以上である必要があります。

個人版のように数千円から気軽に始められるものではないため、特に中小企業にとっては、ある程度の予算計画が必要となります。

本社が所在する自治体への寄付は対象外

意外と知られていない注意点として、自社の本社が所在する地方公共団体への寄付は、この制度の対象外となります。

例えば、東京都千代田区に本社がある企業は、千代田区が行う地方創生プロジェクトには寄付できません(ただし、東京都が実施する事業への寄付は可能です)。あくまで「地方」を応援するという制度の趣旨に基づいたルールです。

まとめ

最低1割の自己負担が発生し、個人版のような返礼品はないこと、など制度を利用する前に理解しておく必要があります。制度の目的は節税ではなく社会貢献であり、企業の価値向上に繋がる戦略的な投資と捉えることが重要です。

企業版ふるさと納税は、単にお金が戻ってくる制度ではありません。自社のリソースを社会のために活用し、その活動を通じて企業価値を高めていくための、未来に向けた投資です。企業運営にプラスの価値をあたえる、企業版ふるさと納税制度をかしこく活用してください。