企業版ふるさと納税の流れ、寄付可能な企業の要件、会計処理
企業版ふるさと納税をする際の流れや、制度を利用できる企業の要件などを解説します。
寄付から税額控除までの仕組みと流れ
実際に企業版ふるさと納税を利用する場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか。大まかな流れは以下の4ステップです。
STEP1:寄付先事業を探す(内閣府ポータルサイト)
まずは、どの自治体のどのプロジェクトに寄付をするかを選びます。内閣府が運営する「企業版ふるさと納税ポータルサイト」では、全国の認定プロジェクトを検索できます。事業内容や地域、SDGsの目標などから探せるので、自社の理念に合った寄付先を見つけましょう。 (参考:企業版ふるさと納税ポータルサイト https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/portal/index.html)
南阿蘇村では、企業からの寄附を随時受け付けています。寄附募集のプロジェクトもありますので、ぜひご検討ください。(詳しくは外部リンク:企業版ふるさと納税 / 南阿蘇村ホームページ)
南阿蘇村への寄附をご検討の企業様は、マッチングサポートをさせていただきますので、お問い合わせフォームより弊社までご連絡ください。
STEP2:寄付の申出と計画認定の確認
寄付したい事業が見つかったら、その事業を実施している地方公共団体に直接連絡を取り、寄付の申出を行います。この際、寄付をしたい事業が国の認定を受けているかを必ず確認してください。
STEP3:寄付金の払い込み
地方公共団体からの案内に従い、寄付金を払い込みます。寄付の実施は、必ず対象事業の事業期間内に行う必要があります。事業が完了した後の寄付は税制優遇の対象外となるため注意が必要です。
STEP4:受領証の受領と税の申告手続き
寄付金の入金が確認されると、地方公共団体から「受領証」が発行されます。この受領証は、税の申告手続きに必須の書類ですので、大切に保管してください。事業年度が終了した後、法人税の確定申告を行う際に、この受領証を添付して税額控除の適用を受けます。
制度を利用できる企業の要件
企業版ふるさと納税は、すべての企業が利用できるわけではありません。対象となる法人や寄付の要件を確認しておきましょう。
対象となる法人(青色申告法人)
この制度の税制優遇を受けることができるのは、青色申告書を提出している法人です。赤字法人であっても、法人住民税の均等割などを納めている場合は、その範囲内で税額控除を受けられる可能性があります。
対象外となる寄付のケース
以下のようなケースは、制度の対象外となりますので注意してください。
- 本社が所在する地方公共団体への寄付
- 寄付の見返りとして、補助金の交付を受けたり、入札で有利な扱いを受けたりするなど、経済的な利益を供与される場合
- 寄付額が10万円未満の場合
- 国の認定を受けていない事業への寄付
対象となる事業の種類
寄付の対象となるのは、「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業」として内閣総理大臣の認定を受けたプロジェクトに限られます。具体的には、以下のような地方創生に資する事業が対象となります。
- しごと創生・雇用創出に関する事業
- 結婚・出産・子育て支援に関する事業
- 地域資源を活かした観光振興・交流促進事業
- DX(デジタルトランスフォーメーション)推進事業
- SDGsの達成に貢献する事業
会計処理の方法と具体的な仕訳例
経理担当者向けに、企業版ふるさと納税を行った際の会計処理と仕訳例を解説します。
寄付金を支出した時の仕訳(損金算入)
寄付金を支出した際は、その全額を「寄附金」として費用計上します。これにより、法人税法上の損金として扱われます。
(例)A市に100万円を現金で寄付した場合
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 寄附金 1,000,000円 | 現金預金 1,000,000円 |
決算で税額控除を適用する時の仕訳
税額控除は、会計上の利益には影響せず、確定申告で納付すべき法人税等の額から直接差し引かれます。そのため、税額控除の適用自体を直接示す決算整理仕訳は通常行いません。
税額が確定し、法人税等を計上する際に、税額控除を反映した後の金額で計上します。例えば、税額控除適用前の法人税等が500万円、税額控除額が60万円の場合、実際に納める税金は440万円となります。この納付すべき税額を「法人税、住民税及び事業税」として費用計上します。
(例)税額控除60万円を適用し、法人税等を計上する場合
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 法人税、住民税及び事業税 4,400,000円 | 未払法人税等 4,400,000円 |
※会計方針によっては、税額控除額を「雑収入」として計上したり、「法人税、住民税及び事業税」から直接マイナスする仕訳(貸方計上)を行ったりする場合もあります。顧問税理士にご確認ください。
使用する勘定科目(寄附金・租税公課)
会計処理で使用する主な勘定科目は以下の通りです。
- 寄附金 寄付金を支出した際に使用します。損金算入の対象となります。
- 法人税、住民税及び事業税(または租税公課) 決算時に納付すべき税額を計上する際に使用します。税額控除を適用した後の金額が計上されます。


